【企業の現状及び支援の経緯】
地域金融機関と長野県信用保証協会からの紹介を受けて対応した。相談当初は入居建物の解体に伴い店舗を移転せざるを得ない状況になったため、同一建物内で運営していた2店舗を1店舗に絞り込むことは決まっていたが、それ以外の点についてはほとんど決まっていなかった。予期せぬタイミングでの店舗移転と資金調達になったため、ピンチをチャンスにという思いはあったものの、具体的にどのような手順で事業計画を検討し言葉にすればよいのか、設備投資の優先順位の付け方や販売促進の方法など、どこから考えていけばよいのかわからないという状況であった。
【実施した支援内容】
まず清水社長は相談当時62才であったため、この新しい店が単なる移転先ではなく経営者として集大成の場になること、事業承継まで見据えた計画になることを支援機関を含めた全員で共有した。そのうえで「なぜ商売をするのか?商売を通じてお客さんに伝えたいことはなにか?」といった根本的な部分に立ち返ってもらったうえで、会社としての「目指す姿」を言語化し、それに沿った形でのターゲットやセールスポイントを踏まえて「だれに、なにを、どうやって」という経営戦略の軸となる部分を整えた。さらにその次のステップとして、メニューの表示方法や情報の発信方法、適正な価格設定といった具体的な部分についても、相談者や支援機関で意見交換をしながらまとめていった。
【支援の結果及び今後の展開など】
リニューアルオープン当初より平日休日を問わず人気の状況が続いている。常連客の流出を防ぎながら、新しい場所での新規顧客も開拓していくという当初のねらいどおりとなり、売上高のアップと同時に利益率の改善にも繋げることができた。また作業動線が簡素化されスタッフの生産性も向上した。地域金融機関からの支援も受けることができているので、今後は息子への事業承継を具体的に進めていくことになる。