【企業の現状及び支援の経緯】
当社は最高水準の切削加工技術が求められる仕事を受注していて、特に大径・薄肉部品の加工には高度な旋盤加工技術とMC加工技術、熟練の手仕上げ技術を融合した高精度なノウハウが求められる。半導体製造装置メーカーからは取引当初より高品質製品の低コストが求められ、夜間・休日に無人稼働するFMS(Flexible Manufacturing System)に30年以上取り組んできた。FMSを効率的に運用することで品質要求事項を満たして受注増大に繋げることが課題であり、この解決に取組み続けている。現在、以下について具体的に取組んでいる。①生産性向上・効率化を図り、コスト削減を図る。②付加価値が高い新規部品の試作に短納期で対応して、受注に結びつける。
【実施した支援内容】
「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(2次公募)」に応募、2021年7月に採択された。当社は国内半導体装置メーカーに部品を供給していることから、海外集中度が高い半導体製造装置生産の国内シフトを見越し、FMSを構成するNC群を追加、生産体制強化・先端化する事業計画を申請した。計画書作成に際し、①半導体製造装置の海外集中度が高いこと、②多くのエッチング装置部品を海外に依存していること、③国内シフトによる量産・高度加工に新規加工機が必要なこと等、客観的データを元に国内シフトによる製造関与量を予測して記述することを促した。納品先や関係機関から関連資料を入手し、それらを基に計画書を作成できた。
【支援結果及び今後の展開など】
2020年7月に採択された省エネ補助金で更新したMC、2020年3月のものづくり補助金で更新・追加したMCをあわせて、FMSの充実ができた。部品の生産について増強でき生産性向上も図れた。サプライチェーン補助金での生産棟(FMSライン)新築計画に関して2022年3月までに本申請が必要となっているので引き続き支援したい。今後、SDGs活動や、地域牽引企業への申請などに支援を求められている。