【企業の現状及び支援の経緯】
新型コロナウイルスの影響を大きく受け、飲食業・宿泊業への販売やイベントでの売上がほぼ無くなってしまったことから新たな打開策を求め、長野県よろず支援拠点に相談を求められました。本事業者の製造する豆腐は長野県の豆腐品評会では常に上位を獲得するほど味には定評があり、ファンが多いため町の豆腐屋や大量生産型の大手豆腐製造業にはできないものを開拓すればチャンスがあるのではないかと考えその”隙間”を狙うべく、新規販路を開拓する道を探りました。
【実施した支援内容】
地域密着型の豆腐店と大手豆腐製造業の中間的規模にあった八光食品工業は設備の規模から業務を縮小することは難しく、当時埼玉県に設置され、人気が出始めていた「豆腐自動販売機」を提案しました。同時期に「ど冷えもん」という新しい食品用の自動販売機が発売になったこともあり、事業再構築補助金を利用し自動販売機を活用した新規販路開拓を進めました。
食品の自動販売機というと、自店舗の前に設置するケースが多いですが、長野市内を中心に観光地、大型店舗、住宅街など複数箇所への設置を計画しました。
人員を削減していることから、製造を社長自身が行っており、販売機への補充について心配はあったものの、通常行っている配達業務とうまく折り合いをつけながら人を増やさずに対応できるとのことで当初10台の設置を目標に準備を進めました。自動販売機限定の高付加価値商品の提案も行い、スーパーなどで購入するものとの差別化を図ることの提案も行いました。
【支援の結果及び今後の展開等】
善光寺御開帳に合わせ、令和4年3月より豆腐自動販売機による直接販売を開始しました。半導体不足の影響により、設置ペースは当初の計画より遅れが生じたものの、令和4年7月までに長野市内を中心に7台の設置を完了しました。(長野市4台、千曲市2台、飯綱町1台)
御開帳により、県内外からの観光客の増加や、新型コロナウイルスの影響による非接触の自動販売機ブームの追い風を受け、順調に売上を確保し、経営状況も安定しました。今後も支援を実施した中で、設置台数を増やすほか新商品を導入しながら売上拡大を目指します。