【企業の現状及び支援の経緯】
店舗面積の半分以上を占めるレストラン部門の売上が、店舗売上全体の10%程度しかなく、採算性に乏しく売上確保に貢献できていなかった。サービススタッフの経験も浅く、技能の向上に意欲を持って取り組んでもらえる状況が構築されていなかった。そこでレストラン部門の従業員のモチベーションアップと売上拡大に向けたメニュー改善について信用保証協会と取引金融機関を通じて、よろず支援拠点の飲食専門コーディネーターに支援要請があった。
【実施した支援内容】
1 店舗レイアウトの改善
上段から下のフロアを見下ろすような配置になっていたテーブルレイアウトを修正し、フロアを圧迫しているテントやタープ等も撤去して開放的な空間へとイメージチェンジを提案した。
2 メニュー改善
厨房を担当している調理責任者が長野市内の有名なレストランの元料理長であり、その店の人気メニューだった牡蠣ピラフをメニューに加えて、名店の味が復活したことをアピールするように勧めた。当初はベーカリーレストランで御飯物を提供することに抵抗を感じていたスタッフも、それ以上の効果が期待できることを何回かの試食を重ねて理解し、メニュー化する事に全員が納得した。
【支援の結果及び今後の展開等】
支援の結果、以前は近隣の若い主婦層が中心だった顧客が一変し、高齢の顧客からも支持を得るようになり、高単価商品の注文や集客力の向上が実現した。更には、調理パンの販売数も向上する相乗効果にもつながり、結果的には平日で売上が倍増、土日に至っては3倍から4倍に近い売上拡大を実現した。コロナウィルスによる影響でレストランは営業自粛となったが、テイクアウト商品の販売強化によって大幅な影響を受けずに乗り切り、営業再開後も好調を維持している。